ニンクリ物語

第19回:飛鳥を訪ねて200キロ。

とりあえず、八熊伝の手がかりを求めて今後の方針を確認するハンター竜田、クリムゾン真鍋、そしてじぇーんの三人。

真鍋:相変わらず探していた手がかりはいつも身近な場所に…、まさかハンター竜田の実家の蔵にあるとは考えなかった。

竜田:うちの蔵はブラックホールみたいに先祖代々、徳川家光の時代から受け継いだ由緒正しい宝物を保管しているわけで、探すのも一苦労やんけ。

真鍋:探し物は手の中にある、いわゆる青い鳥理論が今回もさく裂したわけだ。

竜田:さてと、じいさんがとっておいた八熊伝のコピーを探すには、少なくとも1週間はかかるはず、二人で探してもいいんだが、蔵は埃っぽくてシロートが立ち入るとくしゃみばかりすることになるから、ここはワイが探しておくやんけ。

真鍋:それはありがたい。私はハウスダストアレルギーだ、アレグラを飲んだとしても酷いくしゃみに悩まされるだろう。

竜田:そういえば、さっき思い出したが昔読んだ八熊伝の話だが、本のちょうど真ん中あたりに三匹の熊が満月の夜に石舞台で踊り狂うという熊祭りの話があったやんけ、石舞台は話の流れから明日香村だったやんけ。

真鍋:ほほう、それは耳寄りな話だ。ハンター竜田が蔵を調べている間、退屈で困ると思っていたが、私は明日香村の石舞台でも見に行ってイメージを掴んでくることにするよ。

じぇ:私もお供します。石舞台には前から行ってみたかったので。

竜田:では、ここでいったん解散。一週間後に竜田村で会うやんけ。

あっというまに荷物をまとめてフサキビーチリゾートから旅立つハンター竜田。じぇーんとクリムゾン真鍋も、石舞台を目指して伊丹空港へ向かう。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

真鍋:着いた着いた、伊丹空港、結構時間かかったな。

じぇ:違います、マスター。ここは伊丹空港じゃなく、岡山桃太郎空港です。

真鍋:なんで伊丹空港じゃないんだ、納得いく説明をしてもらおうじゃないか。

じぇ:ホテル出発までマスターが慣れない9%のハイボールを飲んで寝てしまったので、伊丹行きの飛行機に乗れなくなりました。で、ちょうど乗り継ぎで岡山桃太郎空港行きのルートがあったので、それを選んだのです、だからいまは桃太郎空港にいます。悪いのは私ではありません、マスターが悪いんです。納得できましたか。

真鍋:ああ、納得したよ。ただ、この桃太郎空港は交通の便が良くない、どうやって石舞台に行くかだな…。

よく寝たので機嫌よく桃太郎空港からの経路を考え始めるクリムゾン真鍋。

謎の人:よお、真鍋はん、久しぶりやないか、ワシのことを覚えてるか。

真鍋:もしかして、君は岡谷教授…、たしかに岡谷教授だ、懐かしいな。

岡谷:ネット眺めてたら、クリムゾン真鍋がニンクリ物語ってのを始めたって情報があって、読んでみるとなかなか楽しそうなことをしているから、ワシも参加しようと思ってここで待ち伏せしてたんだ。どうや、ワシも一丁噛んでいいか。

真鍋:それは心強い話だ、君の実力はよく記憶に残っている。きっとその力が役に立つときがくるだろう。

じぇ:この岡谷さんは、どんな能力を持っている人なんですか、マスター。

真鍋:それは良い質問だ、岡谷教授は、一言でいれば勝負師、得意なジャンルはレースとマージャンとパチンコだ。この3つのジャンルに特殊な能力を発揮してきたのがこの岡谷さん。特にマージャンにおいては、触らなくても見ただけで盲牌ができるとか、タンヤオ&ドラ12で相手を絶望させて勝つとか、これまでいろいろな伝説を作ってきた。だれも太刀打ちできないマージャンのスキルに敬意を表して岡谷教授と呼んでいるわけだ。

じぇ:要するにギャンブルが得意な人なんですね。フィリピンにもカジノエリアがあって、オカダマニラとかシティオブドリームとか人気です。私も時々遊びに行きます。

真鍋:そうか、どうやら、岡谷教授とじぇーんは相性がよさそうだな。

バババーパパパパーパパパパパー、ゴッドファーザーのテーマ曲のクラクションが聞こえる。

じぇ:あ、なんだか、岡谷教授が赤い車から手を振ってます。乗れって言っているような感じですが。

真鍋:おお、あれはまさしく岡谷教授のRX-7、ロータリーエンジン搭載の低い車高で稲妻のように走る、20世紀の名車中の名車、サバンナRX-7。

岡谷:真鍋はん、懐かしいだろ、昔乗ってたRX-7と同じ色の車が売りに出ていたので手に入れた、ワシは軟弱な車には乗らんよ。エンジンは13B、ツインローター654cc×2だ。ステアリングはアバルト、ショックはカヤバ、極めつけはタイヤ、アドバン タイプD、最近再生産が始まったので、10セットばかり買っておいたよ。

アドバン タイプDとは、かつて一世を風靡した、公道レーサー御用達のタイヤである。消しゴムのように消耗する財布に厳しいタイヤだが、それが魅力でもある。2017年にADVAN HF Type Dとして再発売された「出典:近代芸無辞典より」

真鍋:伝説のアドバンタイプD、ブリップは凄いが、消しゴムのように削れていく、財布に厳しいタイプDだな。

岡谷:タイプDは、この非対称のトレッドパターンが魅力だ、雨にも強いよ。

真鍋:では、目的地に向かうとしよう、行き先はだな…。

岡谷:石舞台だろ、奈良県明日香村、1時間少々でつくよ。

石舞台古墳とは、奈良県明日香村にある古墳である。蘇我馬子の墓であるという説が有力であり、宇宙船が着陸するための台ではない。「出典:近代芸無辞典より」

真鍋:石舞台は桃太郎空港から240キロはあるぞ、どうして1時間で着くんだ。

黙ってRX-7を発進させ、すさまじい勢いで下り坂を駆け下りるレーサー岡谷、やがて山陽自動車道から阪神高速神戸線にを走る。

岡谷:阪神高速で爆走して爆死するならそれも本望、旅は道連れ、死ぬときも一蓮托生、潔く散ることにするぞ。

真鍋:ぎえぇ、安全運転で頼むよ、岡谷教授。私はまだ死にたくない。

岡谷:阪神高速は路面の状態がいい、大丈夫だ、220キロで回れないコーナーはない。

すさまじいスピードで阪神高速東大阪線、水走出口を降りるレーサー岡谷。

岡谷:ここからはあえて阪奈道路に入る、この坂は痺れるぞ。しっかり掴まっとけ。

真鍋:タイヤが消しゴムのように擦り減っていく、なんてことだ、アドバンタイプD。ちなみに、野暮なことをきくが、この走りで燃費はどのくらいなんだ。

岡谷:燃費気にして阪奈道を攻められるか。たぶん、リッター2キロくらいだと思うぞ、13Bは極めて燃費が悪いからな。しかもタイプDは2000キロで摩耗する、男らしいタイヤだ。ワシはケチ臭いタイヤは使わんよ。

真鍋:昔と変っていないな、岡谷教授。すべてがみな懐かしい。

私、運転上手い人って素敵だと思います。楽しい♡

ヲイヲイ!

特に急いでいるわけでもないのにRX-7で爆走し明日香村を一時間で目指す岡谷教授とそのスピードにビビるクリムゾン真鍋。三人は無事故で明日香村に到着できるのか、次回をお楽しみに。

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第18回:「はちようでん」とは何だ

平久保崎灯台からフサキビーチリゾートホテルに戻るクリムゾン真鍋とじぇーん。

真鍋:ぼーっとしてたら軽トラの助手席に座っているな、昨日は荷台ばかりで疲れた。それはそうとじぇーん、君は運転できるのか、知らなかった。

じぇ:普通の車は無理ですが、軽トラならなんとか運転できます。私の実家ではキャッサバの栽培をしていたので、それを運ぶために軽トラを時々運転していましたから。

キャッサバとは、タピオカの原料となる熱帯で生育するイモの一種である。以前ゲーム業界を震撼させたキャッサバ投資詐欺に使われたことで有名になった。「出典:近代芸無辞典より」

真鍋:そうか、実務に使っていたのなら安心だ。で、ニンジャ花坂はどこへ行ったんだ。

じぇ:昨日のクロニン田村の動きが気になると言って、一人で先に帰りました。ココモリ村に戻って調べ物をするとか言ってました。

真鍋:そうか、相変わらず動きが早いな。さすがニンジャマスター。とりあえず、フサキビーチリゾートホテルに戻ろう。ハンター竜田がそろそろ目覚めるころだ。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

ホテルのダイニングで朝食をとりながら、ハンター竜田、クリムゾン真鍋、そしてじぇーんの三人でミーティングが始まる。

竜田:よく寝た、昨日は。クリムゾン真鍋は夜外出してたやんけ、石垣島で一か所だけあるココイチにコロッケカレーでも食いに行ってたのか。

真鍋:まあ、そんなもんだ。クロニン軍団が良からぬことを考えているし、ゲームのシナリオは作らないといけないし、クロニン軍団の野望も止めて世界を救わないといけないし、VERA望遠鏡の元所長から聞いた彗星の話も気になる。頭の容量がオーバーフローしそうだ。

竜田:まあ、世の中オトクが一番。どれが一番オトクか考えるのがいいやんけ。

じぇ:マスター、昨日洞窟から帰るときにきんちゃく袋が落ちていてたので拾ってきたのですが。たぶんクロニン田村が落としていったのではないかと思います。

真鍋:どれどれ、これがそのきんちゃく袋か、表には動物の手形か、裏には文字があるが、かすれていて読めないな。熊という文字がかすかに読めるんだが、後の二文字は不明だ。

竜田:ちょっと見せてみるやんけ…、これはまずいやんけ、関わらないほうがいいやんけ。

真鍋:関わるなと言われるとますます関わりたくなる、この野次馬根性が私がゲーム業界で生きながらえた秘訣だと思うんだが、ということで、気になるところを教えてくれ。

竜田:まあ、仕方ない、クリムゾン真鍋は言い出したら聞かないから…教えてやるやんけ。この文字、これは「八熊伝」と書いてある。クリムゾン真鍋には読めなくてもワイには読める。

真鍋:八熊伝…、どう読むんだ、これは。

竜田:これは「はちようでん」と読むやんけ。クリムゾン真鍋は南総里見八犬伝を読んだことがあるか。あれの作者の滝沢馬琴は、ワイの親戚の友達の家の近くに住んでいたらしくて、ときどきワイの本家に遊びに来てたやんけ。で、その時に滝沢馬琴が、ワイの先祖に八熊伝の本を預けていったらしい。大事な本だから決して紛失させてはいけないと言い残してな。

南総里見八犬伝とは、滝沢馬琴によって書かれた伝奇小説である。犬にまつわる里見家の因縁が描かれている。「出典:近代芸無辞典より」

真鍋:ということは、この八熊伝は、竜田本家に代々伝わる謎の本だったんだな、希少動物を集めるクロニンの意図がわかるかもしれないから、ぜひ読ませてくれ。

竜田:読むと祟りがあるから、やめたほうがいいやんけ。ややこしいことに首突っ込まないで、オトクだけを考えて幸せに暮らすのが良いやんけ。

真鍋:まあ、そこを何とか頼む。ぜひとも八熊伝を読ませてくれ。

竜田:それは無理やんけ、なぜなら八熊伝は前の大阪万博のあった年、つまり1970年に黒装束のニンジャ軍団にワイの家が襲われた時に、持ち出されたままやんけ。ということで、いまは八熊伝はもう無い。あきらめるのがいいやんけ。

真鍋:それって、重大事件なんじゃないのか、人の家を襲って蔵から古書を持ち出すなんて…、強盗事件として警察に届けたのか。

竜田:よくわからんが、その件はうやむやになったらしい、あまり深入りしない方が良いと親戚筋から連絡があってな。

真鍋:そうか、それは残念だな、ここでヒントは途絶えたのか、誠に残念。

竜田:なんでクリムゾン真鍋が八熊伝に執着するのか全く理解できないやんけ、そこ、きちんと説明するなら作戦考えてもいいやんけ。

しぶしぶ、竜田に説明を始める真鍋。隣でじぇーんが退屈そうに爪の手入れを始める。

真鍋:じつは、新作ゲームのストーリーが全く思いつかなくて困っている、苦し紛れに夜の散歩にVERA望遠鏡に出掛けてみたんだが、そんな時にクロニン田村の陰謀に出くわした。そこで思いついたわけだ、新作ゲームのストーリーを自分で考えるより、クロニン軍団の野望を暴くことにすれば、面白いストーリーが自然にできるんじゃないかって。そうすれば努力せずに凄い作品ができる気がする。

竜田:そういうことか、自分で考える労力を払わず、楽して人の騒動を物語にして稼ごうとする、それは鬱病にならない小説家が獲得したノウハウ、人の不幸を取り込んでそれを小説にするのは昔からやられている技法。まさにゲーム制作における完璧なオトク話やんけ、そういうことなら協力するやんけ。ワイはオトクが大好きだからな。

竜田に反感を買うと思ったら、逆に褒められて喜ぶクリムゾン真鍋。じぇーんが爪の手入れが終わってこちらを見ている。

竜田:八熊伝は、爪を研ぐ熊の話やんけ、八熊伝が盗まれる前に、ワイは何回か読んだことがある。特別な爪をもった八頭の熊が8つの島に隔離されていたが、そこで犬軍団との戦いが始まり、熊軍団が奮闘するって話だったと思うやんけ。

じぇ:爪ですか…、私が爪の手入れをしているのと同じ感じでしょうか。

竜田:クマはマニキュアをしないからじぇーんとは違うやんけ。

真鍋:もしかすると、南総里見八犬伝が八人の犬剣士の戦いを描いたとすると、八熊伝は逆サイドからその戦いを描いたものなのか。それなら、歴史的に見ても大きな意味がある。滝沢馬琴の隠れた裏ストーリー、大ヒット間違いなしだ。そんな大切なものをどうして竜田家は無造作に蔵に放置していたんだ。そうして略奪されるなんて頭悪すぎだろ。

竜田:詳しい事情はよく分からんやんけ、ただ、ワイの爺さんが、忍者軍団に強奪される前にコピーを取っていたというのを聞いたことがある。1970年ころはちょうど、コピー機が普及し始めたころ、ワイの爺さんは新しいものが大好きで、さっそくコピー機を買ったやんけ、そして近くにあるものを手あたり次第コピー始めたやんけ。古いコピーなのでだいぶ消えかかっているが、ワイの蔵にまだあるとおもうやんけ。見たけりゃ、見に来るやんけ。

真鍋:それは耳寄りな話だ。さっそく、見に行くとしよう。

滝沢馬琴の隠れた未発表作品、それを発掘して私の名前で発表すれば大ヒット間違いなし。いい話になったな…。

そんなセコイことして恥ずかしくないとは、さすがマスター、憧れます、痺れます。

楽してストーリーの手がかりを手に入れたクリムゾン真鍋。世の中、そんなに簡単に話が進むのか。次回をお楽しみに。

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第17回:平久保崎灯台での争い。

平久保崎灯台に到着したニンジャ花咲とクリムゾン真鍋、それにじぇーんの3人。いつの間にかあたりは朝を迎え明るくなっている。

じぇ:これが平久保崎灯台ですね、割と早くつくことができました。

花咲:忍びの者からの連絡によると、灯台の基礎部分に海に通じる通路があるということだ。探してみよう。

真鍋:忍びの者って…、花咲自体が忍びの者なんじゃないの、文脈が破綻してると思うけど。

花咲:俺はニンジャではあるが、忍びではない。あれは末端のニンジャがやる役割。俺のようなマネージャーは作戦を立案して指示するのが役割だが、実作業は部下にやらせる。君の会社でもそうだろう。

じぇ:そういえば、クリムゾン真鍋は仕事場であんま椅子に座って東京スポーツ新聞をみるのが日常だったと聞いたことあります、確か写真があったはず。

真鍋:つまらん写真を持ち出さなくてよろしい。とにかく地下への入り口を探してみよう。

じぇ:ここが怪しいですよ、マスター。不自然に草がたくさん生えている。ここだけ、扉を隠すために遺伝子組換えしたイネ科の植物とか植えた気配があります。

花咲:確かに怪しいな。どれどれ、おおっと、これはまさしく地下への扉。なかなか判断力があるな、じぇーんは。

花咲に褒められて気分良く扉を開けるじぇーん。3人は薄暗い階段を地下へと降りていく。

花咲:どうやら、ここが海抜ゼロメートル、海面の高さまで来たらしい。あれ、なんだぁ、あの船は。

じぇ:白い船ですね、船体にヤンマーFM27と書いてます。

真鍋:おお、あれはまさしくヤンマー、キャビンの上にフライブリッジがあるタイプの船。私が所有している船はヤンマーのFM28、船体はこいつより大きいな。

自分の船の方が長さ1フィート長いことを自慢げに話するクリムゾン真鍋。

じぇ:船って大きい方が偉いんでしょうか。

真鍋:そうだ、船の世界では、より大きい船。よりスピードが出る船が格が高い。もちろん一番偉いのは本船と呼ばれる、数万トンある船なんだが、プレジャーボートの世界では長さとスピードは大事な要素だ。

花咲:クリムゾン真鍋はどうやら船には詳しいみたいだな。

真鍋:そうそう、船は20代の頃から乗り始めて、今のFM28は5隻め。最初は漁港に係留したYAMAHA-21Cからスタートして、出世魚のようにだんだんサイズが大きくなり、最後がヤンマーFM28のディーゼル150HP✕2機掛け、フルパワーで36ノットはでる、スピード競争すれば無敵に近いのが私の船だ。どうだ、参ったか。

じぇ:キャー凄い。

真鍋:わざとらしく驚かなくていいよ、じぇーん。

花咲:暇なゲームプロデューサーが、小さなプライドを満たすのにはちょうどよいアイテムみたいだな、船というのは。

真鍋:まあ、そうとも言います。しかし、船はやっぱりヤンマーだ。ディーゼルエンジンを内製しているし、ディーゼルは重いから、船底にレイアウトできる、よって安定感が抜群だ。船はやっぱりヤンマーだべぇ。

花咲:まあ、船うんちくはそれくらいでいいだろ、それより。なんのためにあのFM27は現れたんだ。

じぇ:ニンジャ花咲、見てください。まわりにおいているものを。これって特別天然記念物や保護鳥ですよね。動物ばかりたくさん集めて、いったい何をするつもりなんでしょう、ニンジャ組合の人は。

花咲:NNAのことだな、ニンジャ組合っているのは。確かに宝物と言うなら、金銀財宝を思い浮かべるが、これはイメージが違うな。

突然、船から黒い人影が一人。慌てて身を隠すWNUの三人。

謎の人:そこにいるのはわかっているよ、ニンジャ花咲。あと、おまけの二人、君たちはニンジャではないな。隠れ方が下手だ。

花咲:お前はタムラ。日本ニンジャ組合、略してNNAの役職者だったな。黒いニンジャ軍団、クロニン田村とでも呼ぼうか。

田村:いまはミッション実行中だ、邪魔しないで頂きたい。花咲ほどの人物ならニンジャ社会の掟は知っているだろう。利害が対立しない限りお互いのミッションには干渉しないのがニンジャの掟、さっさと帰ってもらおう。

真鍋:ニンジャ同士の揉め事に口を挟んで申し訳ないが、クロニン田村が運び出そうとしているのは、生きたままのイリオモテヤマネコ、それって特別天然記念物のはずだが…。だめじゃないか勝手に持ち出したら。

イリオモテヤマネコとは、西表島で発見されたベンガルヤマネコの亜種である。国の特別天然記念物として大切にされている。「出典:近代芸無辞典より」

田村:黙れ、百姓。ゲームプロデューサー風情に何がわかる。君は黙ってユニティでゲームでも作っていればいいんだ、ニンジャの世界に関わる必要などない。

真鍋:野生のカンでなんか気になるんだ。なぜ、天然記念物を集めているのか教えてくれ。君たちの任務の妨害をするつもりはない、私は単に面白いゲームを作りたいだけだ。

田村:どうやら、本当に自分のことしか考えない、単純な野郎だな。まあいい、とにかく今は、総帥の意志で必要な希少動物を集めている、それだけだ。だが安心しろ、焼いて食ったりはしない。どちらかというと保護するために集めている。総帥の深い慈悲の心は遥かな未来を見据えている。

クリムゾン真鍋、ここはニンジャの掟に従って、見なかったことにしよう、これ以上関わるべきではない。

クロニンの意図をもっと知りたい気分ではありますが、今日はこれくらいにしといたりましょう。人間引き際が肝心ですしね。

本当はビビっているだけなのに、池乃めだかのように引き際を持ち出してクロニン田村を許してやることにしたクリムゾン真鍋。

池乃めだかとは、吉本新喜劇で有名なタレントである。突っ張ったあと、形勢が悪くなると吐くギャグが有名である。「出典:近代芸無辞典より」

デスクリムゾン新作のストーリーのいとぐちを掴むことができたのか、結果は次回に続く。

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第16回:謎の忍者軍団とは。

構想がまとまらずに、プールで惰眠を貪るクリムゾン真鍋。気がつけば夕方に…。

プールの人:お客さん、そろそろプールが閉まる時間です…、ご退場願います。

真鍋:そりゃいかん、どうやら眠ってしまったらしい、日焼けの名残で全身が痛い。

竜田:すっかり夜やんけ、夕飯は豚足とソーキそばでも食いに行くやんけ。

真鍋:残念だが、昼飯が消化できてない、新作の構想もなにも思いつかない、スランプだ、部屋に帰って考え事しているから…。すまんのぉ。

竜田:了解、福田食堂で豚足食ってくる、気にせず構想の続きを考えるやんけ。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

部屋に戻って、構想の続きを考えるクリムゾン真鍋、スランプは更に深まる。

真鍋:VERA望遠鏡、あれがなんだか気になる。せっかくだから、ひとりで夜のドライブに行くか。

ということで、軽トラを駆って昼間に見学したVERA望遠鏡に再度訪れるクリムゾン真鍋。あたりは大雨となり、遠くで雷鳴がなっている。

真鍋:着いた着いた、やっと着いた。天気の良かった昼間は簡単にたどり着けたが、大雨の夜に軽トラで来るのはだいぶ難易度が違う。軽トラの荷台に雨が溜まってプールみたいになってるな。

管理人:ちょっと、そこの人、なんの御用ですか。

真鍋:ああ、怪しい人ではありません。VERA望遠鏡が気になったのでちょっと見学に。

管理人:あなたも変わった人だ、こんな大雨のなか、わざわざVERA望遠鏡を見に来るなんて。

真鍋:管理人さんは、ずっとここで望遠鏡の警備をやっているんですか。昼間はいなかったようだけど。

管理人:昼間は人目が多いから大丈夫なんだが、夜になると望遠鏡の近くで花火やったりドローン飛ばしたりする人がでてくる。そういう行為は観測結果に悪影響を与えるのでやめてもらうように見回ってます。

真鍋:へえ、地元の方のボランティアって感じですか。

管理人:私は今は退任しましたが、もともとこのVERA望遠鏡施設の所長をやっていました。退任したあともこうやって望遠鏡を見ながら宇宙のことを想像しているわけです。

退任したあとも、かつて自分が大事にしていた施設の見守り続ける、日本人の美学を具現化した管理人に感動する真鍋。

真鍋:あなたがこの望遠鏡で観測してきて、なにか興味深い発見はありましたか。

管理人:望遠鏡自体は様々な研究成果をあげ、その業績は公に発表しています。ただ、退任間際に気になる発見が…。

真鍋:何でしょう、気になる発見というのは。

管理人:彗星です、遥か彼方、太陽系の数百倍の距離、そこから太陽に向かって彗星がやって来ます。大体5000年周期で回ってくるのですが、通常の彗星にくらべて周期が異常に長い。

真鍋:周期が長い彗星は珍しいのですか。ハレー彗星も70年くらいでしたよね。

管理人:そうです、そんな長周期だと、太陽の重力圏から離脱しそうなものなんですが、これはどうもそんな気配もない。もしかすると人工的な力で動いているのではないかと思ったりもします。

真鍋:人工的…、宇宙人のつくった乗り物みたいな感じでしょうか。

管理人:宇宙レベルだと、5000年という距離はそんなに遠くありません。宇宙人が作ったにしては近すぎます。なにか別の要因なのかなと思いますが。

大雨の中、困惑する真鍋。遠くで稲妻がなっている。

管理人:では、雨も強くなってきましたので、私はこのあたりで帰るとします。もし話をもっと聞きたければ、夜の10時頃にここに来ていただければ、お話できると思います。

真鍋:了解、ありがとう。

去っていく管理人を見送る真鍋。そのとたん、黒い影が真鍋の背後に迫る。

謎の人:いい気なもんだな、そんな無防備な姿で夜中にうろうろできるなんて。日本が平和だった昭和時代の遺物の行動パターンだ。今の令和時代、無防備に歩き回ることは犯罪に近い。なにか武器を持っているのか。例えば棒手裏剣とか。

真鍋:なんだ、その声はニンジャ花咲。急に暗闇から話しかけたらびっくりするじゃないか。で、なんで、ニンジャ花咲は石垣島に来ているんだ。

じぇ:マスターが心配になったので、私がニンジャ花咲に頼んで石垣島に来てもらいました。ニンジャ花咲から良からぬ噂を聞いていたので。

真鍋:なんですか、その良からぬ噂というのは…。

花咲:単刀直入に言おう。敵対組織の攻撃だ。宮古島を拠点とする、NNAが動き出した。我々が所属するWNUに対抗する不穏な組織だ。NNAはNippon Ninja Association、世界にもいくつかあるローカルなニンジャを束ねる組織だ。ただ、このNNAはかねてから大胆な行動をする組織で、我々の穏健なWNUに対してなにかと敵対してくる、迷惑な組織だ。

真鍋:そうなんですね、しかし、またつまらんトラブルに巻き込まれ始めているのかな、私は面白いゲームを作りたいだけで、ニンジャ同士の抗争には興味がないんだが…。

花咲:そういいながら、君は自分のプロジェクトにニンジャクリムゾンという名前をつけたな。その時点で、ニンジャの呪縛が始まったわけだ。もう逃れられない運命と諦めてくれ。

真鍋:はいはい、仕方ないですね。諦めましょう。

花咲:流石に諦めがいいな、環境への適応力は十分に備わっている、クソゲー作って人気者になったクリムゾン真鍋らしい行動だ。

真鍋:わかりました、で、これから何をすればいいんですか。

花咲:NNAがどうやら石垣島の北の先端、平久保崎灯台を拠点に活動をしているらしい。そこに行ってみよう。

平久保埼灯台とは、海上保安庁が管理する石垣島北端の灯台である、「出典:近代芸無辞典より」

真鍋:わかりました、では、向かいましょう。

花咲:ヲイヲイ、なんで運転席に乗り込むんだ、クリムゾン真鍋。きみは荷台に横になって雨雲でも見ていてくれ、君の軽トラは二人乗り、私が運転して、じぇーんにナビゲータをやってもらう。だいたい、君の運転は下手で遅すぎる、横に乗っていてイライラするから、もっと運転技術を磨いてくれ。

はいはい、私の運転は亀より遅くナメクジより速いくらいのレベルですよ。

わかればよろしい、早速出発しよう。

ニンジャのくせに文明の利器である軽トラを移動手段に使う花咲に対して違和感をもちながらも、現状を受け入れるクリムゾン真鍋。次回は謎の組織、NNAとの戦いが始まるのか。

第16回:謎の忍者軍団とは。 Read More »

第15回:海、遥かなる憧れ。

ハンター竜田との待ち合わせ場所である新石垣島空港に到着したクリムゾン真鍋。

真鍋:石垣島に到着だ、飛行機で3時間近くかかるとは、台湾並みに遠いわけだ。で、ハンターはまだ到着していないのかな、小腹が減ったからなんか食うか。

空港内のコンビニでソーキそばを見つけて喜ぶクリムゾン真鍋。

真鍋:いきなり沖縄名物ソーキそばを食えるとはなかなか幸先がいいな。

真鍋:おや、ハンター竜田からのメールが、「空港前の駐車場で待ってる、すぐ来い」だって、仕方がない、そーきそばは持っていくことにしよう。

竜田:先についたから車を借りといたやんけ、石垣島は車が必須だからな。

真鍋:なんですか、この車は…、軽トラじゃないですか。石垣のリゾートホテルに泊まってのんびり構想を練る予定なので、なぜ軽トラ…。

竜田:この時期、レンタカーは予約で一杯やんけ。本当はハリアーを借りたかったが、当日予約では無理やんけ。そもそも、今日の朝に予約を決めたんだから、軽トラでも借りれただけラッキーやんけ。それに軽トラのほうがサーフィンのボードを運ぶのに便利やんけ。

真鍋:そりゃそうだ、確かに急なブッキングだったから、しかたないな。まあいいことにするか。

竜田:それはそうと、そのソーキそばは車内に持ち込まれると車が汚れるやんけ。後ろで食ってくれ。荷物の見張りの為なら荷台に乗っても問題なし。

真鍋:そうか、それはいい考えだ。では、さっそく荷台に乗り込むとするか。

しぶしぶ、軽トラの荷台でソーキそばの続きを食べるクリムゾン真鍋。

真鍋:で、これからどこに行く、フサキリゾートホテルのプールでのんびりするか。

竜田:チェックインタイムまでまだ時間がある。その前に、電波望遠鏡によっていこう。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

真鍋:これが世界の誇る石垣島の電波望遠鏡か、宇宙の裏まで見通せるレベルだな。

竜田:VERA望遠鏡という、宇宙の神秘に迫るプロジェクトの一貫らしい。

VERAとは、宇宙に真理を探求するために建設された電波望遠鏡である。デスビスノスと戦うために建設された訳では無い。「出典:近代芸無辞典より」

真鍋:そりゃいいな、行ってみたいと思っていたんだ。これを使えばデスビスノスの正体とか調べることができるかもしれんな。

竜田:デスビスノス…、なんだっけ、それは。

真鍋:そういう生き物がいるんだ、私の頭の中にだがね。気にする必要はない。

そういいながら、VERA望遠鏡の写真をとリ始めるクリムゾン真鍋。

竜田:しかし、軽トラの荷台から写真を取るのは便利やんけ、車から降りる必要がないし、足場の安定している。

真鍋:そりゃそうだが、暑いぞ軽トラの荷台は。そろそろ座席に戻っていいか、ソーキそばも食い終わったし。

竜田:それなら問題ないやんけ。では、チェックインタイムも近いしホテルに向かうやんけ。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

竜田:到着したぞ、フサキリゾートホテル。なかなかいいホテルやんけ。

真鍋:確かに良いホテルだ、いかにも高そうなホテルだな。

竜田:オトクテクニックを駆使して、かなり安くブッキングできた。ルートインに泊まるのと同じくらいの料金で泊まれるやんけ。

真鍋:それは素晴らしい、さすがハンター竜田。無駄な出費は一切しない、卓越したライフスタイルだね。

竜田:大事なのは金額ではない、値引き率やんけ。今回は値引き率78%、なかなかよい話やんけ。

真鍋:それはそうと、昼めしはどうする。ソーキそばだけだとすぐに腹が減る。豚足でも食いに行くか。

竜田:オトクの道から考えると、ここはマクドナルドに行こう。ちょうど株主優待券が2枚ある。これをつかって肉厚サムライバーガー、オプションでトマト3枚のせ、ポテトLにオレンジジュースLサイズ氷なし。これが一番オトク率がいいやんけ。

真鍋:石垣島でマクドナルドとはね。石垣島に来ても自然体で過ごすとは、さすがハンター竜田。おトクハンターの後光が差してるな。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

真鍋:昼飯も食ったし、プールサイドでのんびりするのはいいな。さて、デスクリムゾンの新作の構想でも考えるか。

竜田:適当に考えてといてくれ、ワシは昼寝するやんけ…。

真鍋:なんだ、一緒に考えてくれるのではないのか…。まあ、仕方がない一人で考えるか。

気持ちよさそうに寝息をたてて深い眠りにつくハンター竜田。

真鍋:そういえば、デスクリムゾン1のストーリーと世界観も同じような環境で構想を練ったな。あれは確か1994年の冬、イスラエルのエルサレムから車で1時間、死海の辺りのホテルで。死海にぷかぷか浮かびながら、雲ひとつない青空を見ながら、越前康介や、デスビスノス、マルマラ共和国の話なんか考えたものだ。懐かしい、全ては皆懐かしい…。

真鍋:しかし、全く何のアイディアも浮かばん。困ったものだ。

真鍋:どうやら、完全なスランプに陥ったようだ、こういうときには寝るにかぎる。ということで一休みしよう。

そろそろデスクリムゾンの新作のアイディアが思いつくはずだ…。おかしいな、急に眠くなってきた。なにも思いつかない。

.マスター、陰ながら応援してます、頑張ってください!

石垣島に来たものの、リゾートを満喫する以外の展開がなく、苦悩するクリムゾン真鍋…。次回の展開も不安で一杯。

第15回:海、遥かなる憧れ。 Read More »

第14回:世界観を探して南へ。

デスクリムゾンの新作を作る…、この事実が重く心にのしかかるクリムゾン真鍋。どのような作品にまとめるべきか日々葛藤するのである。

じぇ:おはようございますマスター。ご機嫌はいかがですか。

真鍋:ご機嫌は最悪だ、デスクリムゾンを作る話になってきてるから気分が悪い。本来はドリームジェネレーションの続編を作るはずだったのに、ぶつぶつ。

じぇ:どうして、デスクリムゾンの続編を作るのはそんなにストレスなんでしょうか、待ってるファンの人もそこそこいるんですよね。

真鍋:一部、心から待っててくれるファンが居るのは事実だ。だが、大半の人が期待していることは、偶然できたデスクリムゾンの続編を作って壮絶に爆死すること、中途半端なクソゲーになってね。コンテンツとしてはそのほうが面白いし。

じぇ:なんか、ひねくれた考え方ですね。世の中そんな人ばかりじゃないでしょう。

真鍋:やはり、幸せな人が失敗して落ち目になる話というのは、結構人気あるんだ。そのために人気を煽っている部分もある。

じぇ:そんなものなんですかね。

真鍋:私が仮にすごいメンバーを集めて、素晴らしくクオリティの高いデスクリムゾンを作ったとしよう、その評価は「こんなのデスクリムゾンじゃない、俺たちが待っているのは前回を超えるクソゲーだ」こんな感じ。クオリティを上げれば上げるほど、ファイナルファンタジーの新作に比べてとか、ピグミン4に比べて…みたいな不毛な評価を受けることになる。

じぇ:そのような作品と比較されても困りますよね。

真鍋:さりとて、狙ってクソゲー作ると、「なんかわざとらしい、白々しい、狙ってクソゲー作るなんて痛々しい、さっさと引退しろ」。まあ、こんな感じになると思う。もともと引退状態だったのが縁あって、現実社会に戻ってきて新作を作ろうと考えているのに、さっさと引退しろと言われるのもあまり愉快な話ではないよね。

じぇ:まあ、人気商売の宿命ですね。そこをなんとかするのが一流のプロデューサーってものなんじゃないですか。

真鍋:結局そうだ、じぇーんすらそういう考えになるよな。要するに「ごちゃごちゃ言わんと凄いの作って持って来い、中途半端なもの作るんじゃねーぞ」、こんな感じだよね。

じゃ:一言でいうとそうですね。

真鍋:わかった、ごちゃごちゃ言わんと凄いの作るように努力しよう。ということで、私はしばらく南の島で構想を練ることにする。段取りよろしく…。

じぇ:わかりました、こういう話なら、オトクハンターの竜田さんに依頼するのがいいと思います。最近お会いしたんですよね、竜田さんと…。

真鍋:それはいい考えだ、では、「南の島でじっくりと構想を練るから付き合ってください。ついては手配よろしく」こんなメール、ハンター竜田に送っておいて。では私は寝るから…。

じぇ:まだ朝の10時ですよ、もう寝るんですか…。

返事せずに、ソファで眠り始めるクリムゾン真鍋。早速いつもの現実逃避が始まったらしい。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

じぇ:おはようございます、マスター。今日2回目のおはようですね。さっそく竜田さんから返信メールが来ました。読み上げますね。

真鍋:ああ、よろしく頼む。

竜田:親愛なるクリムゾン真鍋、スイカは美味かったか。で、依頼の件だが、行き先は石垣島に決定した。出発は今日14時のフライトやんけ。石垣島空港で会おう、遅れないように飛行機に乗るやんけ。直前割引でなんと80%オフ、オトクハンターの血が騒ぐチケットだ。

石垣島とは、台湾に近い日本のリゾート地である。大型ジェット機が発着できる新空港が開港してから、リゾート地として発展を続けている。「出典:近代芸無辞典より」

真鍋:おお、さすがハンター竜田。オトクハンターの名前に恥じない凄い航空券探してきたな。じゃあ早速、出発するとするか。

じぇ:ホテルってどんなとこなんですか。それによって用意する荷物が変わるんですが。

真鍋:フサキビーチリゾートホテルって書いてるな。よくわからないところだが、ハンター竜田が選ぶんだから間違いないだろう。

じぇ:よい休暇を、マスター。

真鍋:違う、違う、休暇じゃない。デスクリムゾンの新作を作るための構想を考えるんだ。青い海、青い空、澄んだ空気、こんな中で構想を練ったらさぞかしいいものを思いつくだろう。

じぇ:デスクリムゾンってそんなもんでしたっけ、深水埗のゴミゴミしたカフェで考えたほうがいいと思うのですが…。

それじゃ、いつもと同じになる。ごちゃごちゃしたカオスのデスクリムゾンができるだけだ、そんなのをファンも望んでないだろう。

わかりました、何もいうことはありません。お気をつけて…。

急遽、石垣島で構想を練ることになったクリムゾン真鍋。数十年ぶりのハンター竜田との旅行はいったいどうなるのか、次回をお楽しみに。

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